Letter 構造:K+チャネルにおける活性化–不活性化ゲート間の共役の構造基盤 2010年7月8日 Nature 466, 7303 doi: 10.1038/nature09136 活性化と不活性化の際のゲート開閉間の共役した相互作用は、K+チャネル機能の顕著な特徴である。この共役はイオン相互作用効果やシステイン到達性を使って実験的に証明されており、エネルギー論的に共役した残基の明確な境界線と関連している。完全に開口したコンホメーションのK+チャネルKcsAの構造は、4つの部分的開口のコンホメーションとともに、活性化–不活性化ゲート開閉の構造的基盤を詳しく明らかにしている。今回我々は、内側のバンドル・ゲートの動きが選択性フィルターのコンホメーション変化を引き起こし、これが非透過性C型不活性化状態へつながるという機構的原理を明らかにする。一連のKcsAの開口構造の解析から、TM2へリックスのヒンジ様の屈曲と回転の結果、Phe 103の芳香環はポアを作るヘリックスのThr 74とThr 75残基および隣接サブユニットのIle 100に向かい傾くと考えられる。これによってTrp 67、Glu 71、Asp 80残基間の水素結合ネットワークが選択性フィルターを不安定化させ、非透過性コンホメーションへの進入が可能となる。残基103への変異導入は、ゲート開閉動態に対してサイズ依存的な影響をもたらす。F103AとF103Cのような小さな側鎖への置換は、不活性化動態を強く障害するのに対して、F103Wのような大きな側鎖への置換の影響はずっと小さい。この結果は、内側のヘリックス・バンドルと選択性フィルター間のアロステリックな共役が、立体的接触ネットワーク中を直接的な機械的変形が伝播していくのによっている可能性を示唆している。分子動態シミュレーションから計算された平均相互作用は、Phe 103と周囲の残基間では、開口状態の相互作用がエネルギー的に有利であることを示す。I470A変異で不活性化が障害されたシェーカーK+チャネルで、類似の相互作用が立証された。KcsAやほかのいろいろなK+チャネルでは、103番目の残基の側鎖の再編成が、活性化と不活性化を機械的に共役していると我々は考える。 Full Text PDF 目次へ戻る