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生理:血管内皮増殖因子Bは内皮の脂肪酸取り込みを制御する

Nature 464, 7290 doi: 10.1038/nature08945

血管内皮増殖因子(VEGF)は主要な血管新生調節因子であり、内皮細胞の複数の生理学的性質にかかわっている。しかし、VEGF-Bの血管機能における役割の詳細は不明のままである。今回我々は、VEGF-Bが内皮による脂質の末梢組織へ向けた輸送に意外な役割をもつことを示す。循環血液中に存在する食物由来の脂質が組織細胞によって代謝されるためには、血管内皮を横断して輸送される必要があるが、その機構は十分解明されていない。バイオインフォマティック解析により、マウスでは、非常に多様な生理的条件下でVegfbが核によりコードされたミトコンドリア遺伝子と密接に結びついて共発現することが示され、これはVEGF-Bが代謝に役割をもつことを示している。VEGF-Bは、血管の脂肪酸輸送体の転写調節を介して、内皮の脂肪酸取り込みを特異的に制御していた。その結果、Vegfb−/−マウスでは、筋肉、心臓、褐色脂肪組織への脂質取り込みと蓄積が低下し、脂質はその代わりに白色脂肪組織へ輸送された。この調節は、内皮に発現するVEGF受容体1とニューロピリン1を介して行われる。VEGF-Bとミトコンドリアタンパク質が協調して発現することは、内皮の脂質取り込みとミトコンドリアの脂質利用を密接に協調させる新たな調節機構を示している。VEGF-Bの脂質取り込みへの関与は、糖尿病、肥満および心血管疾患でみられる病的な脂質蓄積を調節する新戦略を可能にするかもしれない。

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