Letter 免疫:TCRとpMHCの二次元的相互作用の反応速度論的性質はT細胞応答性を決定する 2010年4月8日 Nature 464, 7290 doi: 10.1038/nature08944 T細胞受容体(TCR)は、ペプチド–主要組織適合複合体(pMHC)と相互作用することで自己抗原と病原体とを区別し、適応免疫応答を誘導する。T細胞と抗原提示細胞との間に交差結合が成立するには、この2つの間の直接的な物理的接触が必要で、そこではTCRとpMHCは並置された細胞の膜という二次元(2D)膜上にそれぞれ係留されている。膜が2Dであるのにもかかわらず、TCR–pMHC結合の速度論は三次元(3D)的にしか解析されてきておらず、そのT細胞応答との相関の程度はさまざまであった。今回我々は、2種類の力学的解析を用いて、TCRと抗原性pMHCとの間の高い2D親和性が速い結合速度によってもたらされることを示す。一連のpMHCリガンドに対するTCRの2D親和性と結合速度は、3Dでのそれと比較して、はるかに幅広いダイナミックレンジをもち、対応するT細胞応答性と一致する。応答性の最もよい3D予測因子となるのは解離速度であり、アゴニストpMHCが最も遅く解離する。一方、2Dでの解離速度は最大8,300倍速く、そのアゴニストpMHCが最も速く解離する。我々の2Dデータは、膨大な自己pMHCが存在するという状況下で、T細胞によるすばやい抗原サンプリングとTCRによる少数のアゴニストpMHCとの連続的な会合を示唆している。したがって、細胞環境は内因性のTCR–pMHC結合を増幅して、T細胞応答性を決定する幅広い親和性と速い反応速度論的性質を生み出しているといえる。 Full Text PDF 目次へ戻る