Article 物理:二次元相関ディラックフェルミオンに現れる量子スピン液体 2010年4月8日 Nature 464, 7290 doi: 10.1038/nature08942 凝縮物質系には、十分低い温度で秩序が現れる傾向がある。しかし、この挙動に対する顕著な例外は量子スピン液体の場合で、量子揺らぎがあるため秩序状態への転移が最低温度まで起こらない。現在、いくつかの二次元有機化合物でこのような状態を観測したとの不確かな報告があるが、実験にとって重要となる微視的な二次元モデルでの量子スピン液体はまだ十分に解明されていない。本論文では、例えばグラフェンで実現されている構造のような、ハニカム格子上の相関フェルミオンに関する大規模量子モンテカルロシミュレーションにより、量子スピン液体が、質量ゼロのディラックフェルミオンによって記述される状態と反強磁性秩序モット絶縁体の間に現れることを示す。この予想外の量子無秩序状態は短距離性の共鳴原子価結合液体であって、高温超伝導体に対して提案されている状態と似ていることがわかった。つまり、ドーピングを介した非従来型の超伝導がこの系に生じる可能性がある。我々は、ハニカム格子に配列した冷却原子、あるいはIV族元素を使って、このモデル系を実験により実現できると予測する。 Full Text PDF 目次へ戻る