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生態:ハトの群れにみられる階層的な集団内動態

Nature 464, 7290 doi: 10.1038/nature08891

群れを成して一緒に移動する動物は、さまざまな興味深い運動パターンを示すが、これは群れメンバー間の繊細で局所的な相互作用の結果であると考えられている。集合的な運動現象を調査・解釈するうえで最も有益な方法は、実際に動いている個体から高分解能の時空間データを収集することであるが、そのようなデータは乏しく、自然条件で遠く離れたところにいる群れの行動となると、技術的な難しさからデータは事実上全く存在しない。今回我々は、軽量な高分解能GPS装置を用い、最大10羽の群れで飛ぶ伝書バトの飛行を追跡記録し、統計物理学でよく使われる方法から着想を得た一連の相関関数を用いて、記録の解析を行った結果を示す。2個体間の相互作用で飛行方向の選択にみられる時間差に基づいて判定した、群れ内の主導・追随関係のデータから、群れメンバー間に明確な順位(階層構造)が存在することがわかった。群れ内での個体の平均的な空間位置は、階層構造内でのその個体の地位と強く相関していた。また、各個体は主に自分の左方向に見える他個体に、よりすばやく反応していた。これらの結果から、群れの個体にはそれぞれ異なる役割があり、それが群れ内の空間的位置の違いにつながっていることがわかった。進化的見地より、今回の結果は、少なくとも群れ内の2個体間で常時相互作用を行える程度の群れサイズでは、飛行中に主導者と追随者という関係性が常にみられるような群飛の階層的組織が、平等主義的組織よりも効率的である可能性を示唆している。

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