Letter

脳:ヒト記憶の強さは単一ニューロンのシータ振動への位相同期から予測可能である

Nature 464, 7290 doi: 10.1038/nature08860

新しい経験から学習することは、中枢神経系の主要な機能の1つである。哺乳類では、内側側頭葉がこの速い型の学習に重要である。可塑的変化によるシナプスとニューロン回路の修飾が、記憶形成の基盤だと考えられている。シナプス可塑性の誘導は、ニューロン集団間の活動電位発火タイミングの同調によって促される。このようなニューロン集団間の同調活動は、局所的電場電位で記録される種々の振動数の振動を生み出しうる。シータ振動数範囲(3〜8ヘルツ)の脳波振動は、シナプス可塑性の望ましい誘発並びに行動の記憶にしばしば相関している。本論文では、学習課題実行中のヒト脳で、局所的電場電位と同時に記録した単一ニューロンの活動を報告する。活動電位の発火タイミングと局所シータ振動との同調の強さから、記憶成立を予測できることを示す。発火がより定型的であるほど、被験者が報告する回想の自信度の高さで示されるように、記憶がよい。この知見は、多くの記憶調節行動による既知のシータ振動の修飾と、可塑性の回路機構との間の関係性を示している。

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