Letter

遺伝:全ゲノムSNPおよびハプロタイプ解析から示されたイヌの家畜化の基礎となった密度の濃い歴史

Nature 464, 7290 doi: 10.1038/nature08837

ゲノム技術の進歩は、家畜化で生ずる急速な表現型進化に極めて重要な歴史的および遺伝的過程の新たな解明を容易にしている。イヌの多様化の過程の解明を進めるため、我々は、イヌおよびその祖先野生種であるタイリクオオカミについて、4万8,000個を超える一塩基多型の大規模な全ゲノム調査を行った。イヌの品種群は、中東のタイリクオオカミに特有の多座ハプロタイプを高率で共有していることがわかり、イヌの遺伝的多様性の主たる源は、ミトコンドリアDNA配列データから示唆された東アジアのオオカミではなく、中東のタイリクオオカミであることが示された。また、品種の遺伝的区分と表現型/機能的分類との間には意外な対応が見いだされたが、表現型の多様性が、新しい表現型をもつ個体と繰り返し交配することに一部依存したことを示唆する例外もあった。今回の結果は、中東のオオカミがイヌのゲノム多様性の重要な源の1つであったことを示しているが、地域のオオカミ集団との交雑は、特定系統の初期の歴史において中東以外で明らかに起こっていた。さらに最近では、近代のイヌ品種の進化は、限られた遺伝子ツールキットを利用して著しく高い表現型多様性を生み出す反復的過程であったと考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度