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地球:ヤンガードライアス期におけるアガシー湖から北極海への洪水流出経路の同定

Nature 464, 7289 doi: 10.1038/nature08954

ローレンタイド氷床の融解は数千立方キロメートルの真水を毎年周囲の海洋へと放出し、時には大西洋の南北方向の鉛直循環を抑制し、急激な気候変動を引き起こしていた。ヤンガードライアス寒冷期のような事象をもたらした物理的機構を解明するには、真水の放出時期や経路を同定する必要がある。Broeckerたちは1989年に、アガシー氷河湖からの放出がヤンガードライアス期の引き金となったという仮説を立てたが、具体的な証拠は見つかっておらず、Broeckerは2006年に「洪水がとった経路を同定できなかったことが懸念される」と結論した。本論文では、見つかっていなかった洪水の経路が、砂礫と地域的な浸食面から明らかになり、洪水はカナダ北極域の海岸平野にあるマッケンジー河川系を通ったことを示す。フォート・マクマレー地域の上流でアイソスタシーに基づいて地表を適合させたモデリングと、この時期の氷縁を多少修正した結果から、アガシー湖があふれてマッケンジー集水域に流れ出たと考えられるようになった。光励起ルミネセンス年代測定により、このマッケンジー川の洪水が北極海へ流れ出したおよその年代は13,000年前のすぐ後と決定された。これは、ヤンガードライアス期の開始時期に近い。この洪水は、較正された炭素同位体年代で11,500年以上前とされるフォート・マクマレー近傍の巨礫段丘を作り出したと考えられる。ヤンガードライアス期の開始時に北極海に流れ込んだ大規模な洪水は、この時期のアガシー湖の洪水は東方向のみに向かい北大西洋に流れ込んだという、広く受け入れられている見方を否定する。

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