Letter 遺伝:白人集団における次世代シーケンシングによるトランスクリプトーム遺伝学 2010年4月1日 Nature 464, 7289 doi: 10.1038/nature08903 遺伝子発現は、細胞状態に対する遺伝的、環境的影響を知るうえで重要な表現型である。オーダーメイドおよび市販のマイクロアレイを用いた数多くの研究により、遺伝子発現表現型をもたらす遺伝子変異が既に同定されている。次世代シーケンシング技術により、トランスクリプトームのこれまでに先例のない、詳細な構造解析も可能となっている。我々は、拡張HapMapのヨーロッパ系60人についてトランスクリプトームのmRNA分画の配列決定をし、これらのデータをHapMap3プロジェクトで得た遺伝的変異と組み合わせて解析した。読み取り深度に基づいてエキソン量を定量し、全転写産物量を定量する方法も開発した。約1,000万リードの配列決定によって、アレイと同様のダイナミックレンジでの解析が可能であり、選択的転写産物および多く発現される転写産物はさらに正確に定量できることがわかった。SNP(一塩基多型)との関連では、アレイとの関連に比較べて、eQTL(expression quantitative trait loci)をより多く発見できる。我々は、成熟転写産物の構造に影響を及ぼすかなりの数の変異も検出しており、変異が選択的スプライシングの原因となっていることが示される。最後に、対立遺伝子特異的な発現を定量することにより、まれなeQTL並びに転写産物の構造における対立遺伝子差異の同定が可能となった。今回の解析は、ハイスループットなシーケンシング技術は、トランスクリプトームに及ぼす遺伝的影響の新たな特性を明らかにし、細胞過程における遺伝的影響に対する探究を可能にすることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る