Letter 物理:分数量子ホール効果の単一粒子スペクトルにおける異例な構造 2010年3月25日 Nature 464, 7288 doi: 10.1038/nature08941 二次元電子系は、相互作用する粒子の物理を研究する強力な実験系となる。強磁場をかけると、ランダウ準位として知られている大きく縮退した量子準位が発生する。ランダウ準位内部では、電子の運動エネルギーは低下し、電子–電子相互作用はそのエネルギースケールのみを決める。ランダウ準位の縮退はクーロン相互作用によって解け、電子は複雑な基底状態へと秩序化することがある。我々は、この系の高エネルギー単一粒子スペクトルに明瞭な予想外の構造が生じ、これが広範囲のランダウ準位充填因子にわたって広がっているのを観測した。その構造は、二次元電子系を極低温まで冷却したときのみ現れ、この構造が微妙な基底状態の相関から生じたことを示している。我々は、電子密度とかけた磁場の変化に伴う発展によりこの構造の特徴を調べ、これらの観測結果を説明するモデルを2つ提案する。これらの特徴のエネルギーの一部は、この領域におけるほかの実験結果の解釈において有効性が証明された複合フェルミオンで予測されるものと、定性的に一致する。同時に、秩序化した格子サイト上に電子が局在する簡単なモデルでも、実験での観測結果と似た構造が生じる。これらモデルの一方だけでは、測定を行った密度全領域にわたって観測結果を説明するには不十分であった。さまざまな点から徹底的に研究されている系の単一粒子スペクトルに、予想しなかった明瞭な構造が発見されたことから、二次元電子系にはまだ解明されていない重要な特徴が存在すると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る