Letter

気候:全球土壌呼吸の記録における気温に関連した上昇

Nature 464, 7288 doi: 10.1038/nature08930

土壌呼吸RS、すなわち微生物や植物の呼吸による土壌表面から大気への二酸化炭素(CO2)フラックスは、2番目に大きな陸域炭素フラックスである。しかし、RSの動態はあまり解明されておらず、全球フラックスはまだ十分にしぼり込まれていない。生態系温暖化実験、モデル解析、基礎的な生体動力学研究はすべて、RS が気候とともに変化することを示唆している。RS の空間変動が大きく、土壌培地を調べることが難しく、またリモートセンシング機器によるRSの大規模測定ができないため、これを観測的に確かめるのは難しかった。これらの制約にもかかわらず、現在進行中のRSチャンバー測定記録の40年分の中で、気候によって駆動される地域的あるいは全球的なRS値の変化を識別することは可能かもしれない。本論文では、高分解能の歴史気候データと整合させた、世界的規模のRS観測のデータベースを構築し、年平均の気候、葉面積、窒素沈着、CO2測定技術の変化を考慮に入れた後のRSの記録に、これまで知られていなかった時間的傾向を見いだした。気温偏差(1961〜1990年の平均からの偏差)とRSの変化に、有意で正の相関があることがわかった。2008年の全球RS(すなわち、2008年の全期間にわたって地球の陸域表面全体で積分したフラックス)は、98±12 Pg Cであり、1989〜2008年の間0.1 Pg C yr−1ずつ増加したと見積もられる。これは、全球のRSの大気温度(Q10)に対する応答が1.5であることを示している。全球RS値の増加は、必ずしも大気への正のフィードバックとなるとはかぎらない。なぜなら、全球RS値の増加は、貯蔵された古い炭素の放出ではなく、多量の炭素の土壌への流入によるものである可能性があるからである。いずれにしても、利用可能なデータは、陸域の炭素循環が全球の気候変化に応答して加速したことと一致している。

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