Article

代謝:酸素生成細菌による亜硝酸駆動型の嫌気的メタン酸化

Nature 464, 7288 doi: 10.1038/nature08883

酸素を生成することが知られている生物学的経路は、光合成、塩素酸呼吸、および活性酸素種の解毒の3種類に限られる。本論文では、地球化学的および進化的にかなり重要であると考えられる、第四の酸素生成経路の証拠を示す。この経路は、メタンの嫌気的酸化を亜硝酸から窒素分子への還元と共役させて行う集積培養物のメタゲノム配列を解読して見つかった。その優占細菌であるCandidatus Methylomirabilis oxyferaと命名された菌の全ゲノムが組み立てられた。この一見嫌気的な脱窒細菌は、メタン酸化のよく知られた好気的経路の遺伝子をもち、それらの転写および発現を行っていたが、窒素分子生成のための既知遺伝子はもっていなかった。続いて行った同位体標識により、このM. oxyferaは、2分子の一酸化窒素を窒素分子と酸素分子に転換して、この酸素分子をメタンの酸化に用いることにより、脱窒中間体の亜酸化窒素を迂回していることが示された。今回の結果によって、無酸素条件下の炭化水素分解の解明がさらに進み、解明の進んでいない淡水メタンシンクの生化学的機構が説明される。初期の地球には窒素酸化物が既に存在していたため、今回の知見は、酸素発生型光合成の進化以前に微生物が酸素を代謝に使っていた可能性を提起するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度