Letter 宇宙:高赤方偏移の星形成銀河からのライマンα光子の約5パーセントの脱出 2010年3月25日 Nature 464, 7288 doi: 10.1038/nature08881 ライマンα(Lyα)輝線は、高赤方偏移に位置する星形成銀河の観測でみられる主要な特性であり、宇宙の進化の研究に関して銀河の大規模なサンプルを集めることを可能にしてきた。しかし、Lyα光子が母銀河の中性星間物質中で散乱するため、輝線の共鳴の特徴は、星間塵による吸収に対する感度が大きく増強されている可能性を示している。このことから、Lyα光度はかなり減少しているか、あるいは、完全に抑制されているかもしれないと考えられる。Lyα光子の脱出率の割合(fesc)について偏りのない観測に基づいた検証は、高赤方偏移ではこれまで行われていなかった。本論文では、LyαとHαにおける盲検化した狭帯域観測により、赤方偏移z = 2.2に位置する星形成銀河からの平均fescは、5パーセントにすぎないことを報告する。このことから、Lyαによって選択されたサンプルに基づく多くの結果が1桁の上方修正を必要とすると考えられ、我々は、この修正に対する基準を提供する。星形成銀河のほぼ90パーセントが、標準的な選択基準によって検出されるには不十分なLyαを放射していることがわかった。LyαとHαによって選択されたサンプルは共に、fescが塵の含有量に対して逆相関しており、LyαおよびHαの選択によって塵の含有量とfescで大幅に異なる集団が得られることを示す。 Full Text PDF 目次へ戻る