Article 脳:ヒト新皮質の外側脳室下帯でニューロンを生み出す放射グリア 2010年3月25日 Nature 464, 7288 doi: 10.1038/nature08845 発生中のげっ歯類皮質のニューロンは、神経幹細胞として機能する放射グリア細胞から生成される。これらの上皮性細胞は脳室内壁を覆っており、中間的な前駆細胞を生み出す。前駆細胞は、脳室下帯(SVZ)に移動してさらに増殖し、ニューロン数を増やす。発生中のヒトSVZは、大きく広がった外側領域(OSVZ)をもち、皮質のサイズ拡大と複雑化に寄与していると考えられている。しかし、OSVZ前駆細胞のタイプやニューロン産生への寄与については不明な点が多い。今回我々は、多数の放射グリア様細胞と中間的前駆細胞が、ヒトOSVZに集まっていることを示す。OSVZの放射グリア様細胞は長い基底突起をもつが、意外なことに脳室表面に接着しておらず、上皮性ではない。リアルタイムイメージングとクローン解析により、これらの細胞が、増殖的分裂と、さらに増殖可能なニューロン前駆細胞を生み出す自己複製的な非対称分裂を行いうることがわかった。また、OSVZ前駆細胞でNotchシグナル伝達を阻害すると、ニューロン分化が起こることも示す。非脳室性の放射グリア細胞の確立は、ヒト脳に皮質サイズの拡大と複雑さをもたらした、進化上の重要な進歩だった可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る