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植物:セントロメアを介したゲノム排除による半数体植物の作製

Nature 464, 7288 doi: 10.1038/nature08842

片親のみから染色体を受け継ぐ半数体植物を作製すれば、植物の育種を大幅に加速することができる。異型接合個体から半数体を作製して二倍体に転換すれば、同系交配を行わず、速やかに同型接合系統を得ることができる。半数体の作製で一般的に使われている方法は2通りある。1つは、培養された配偶体細胞から半数体植物を生じさせるものであるが、この方法に抵抗する種や遺伝子型は多い。もう1つは、希少な種間交雑体から半数体を誘導するもので、一方の親のゲノムは受精後に排除される。ゲノム排除の分子基盤は明らかにされていないが、セントロメアと紡錘体との相互作用が両親種で異なり、選択的な染色体の喪失が生じるという説がある。本論文では、セントロメア特異的ヒストンCENH3(ヒトではCENP-Aとよばれる)という、たった1個のセントロメアタンパク質を操作することにより、半数体シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)植物体が種子を通じて容易に作製されることを示す。変異したCENH3タンパク質を発現するcenh3ヌル変異体を野生型と交配すると、変異体の染色体が排除され、半数体の子孫が得られた。半数体は、非減数分裂により、生殖能力をもつ二倍体へと自然に転換され、その遺伝子型を残すことができるようになる。母系および父系の半数体は、相反交雑によって作製することができる。また、セントロメアを介したゲノム排除を利用することにより、天然の四倍体シロイヌナズナが二倍体に転換され、倍数性が低下して育種が単純化された。CENH3は真核生物に一般的に存在することから、今回の方法は、あらゆる植物種の半数体作製に拡張可能と考えられる。

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