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発生:歯牙の計算モデルと形態変動の発生的起源

Nature 464, 7288 doi: 10.1038/nature08838

遺伝型と表現型の関連性(遺伝型–表現型マップ)は、多変量量的遺伝学と形態計測学の手法を用いて研究するのが普通である。発生研究や発生の数理モデルは、遺伝型–表現型マップに新たな考察をもたらす可能性があるものの、小進化のレベルでの有用化は難題である。本研究では、遺伝的相互作用と細胞間相互作用のパラメーターを組み合わせて、単純な歯牙原基から立体的な歯牙を作り上げる、哺乳類の歯牙発生の計算モデルについて報告する。表現型の変異を作り出すためにモデルの各パラメーターを体系的に変化させ、また、実際の歯牙の集団レベルでの変動を最もよく説明するパラメーターを見つけ出すために、幾何学的な形態計測解析を用いて、実際の歯牙の集団レベルでの変異を最もよく説明するパラメーターの同定、または発生上の位置付けを行った。発生的に生じうる形態を網羅したモデルを作製するために、ワモンアザラシ(Phoca hispida ladogensis)の集団標本を用いた。アザラシの歯列は高度の変動を示し、これは概して不適切な咬合と連関している。我々のモデルは、発生と歯牙の複雑性にもかかわらず、歯牙の変動は単純な原理によっている可能性を示唆している。歯尖の発生中のシグナル伝達を制御するパラメーター1つの変化から、個体間の形状の変動が説明できると考えられるが、上皮の成長を制御する1つのパラメーターからは、顎に沿った連続的な歯間の変動が説明される可能性がある。我々の研究は、遺伝型と発生と表現型の統合的解析を、一歩進めるものである。

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