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植物:シロイヌナズナの雌性配偶子形成の低分子RNA経路による制御

Nature 464, 7288 doi: 10.1038/nature08828

多くの有性種子植物の胚珠では、機能性の胚嚢細胞という、1つだけ生き残った配偶子細胞から雌性配偶子形成が開始される。胚嚢細胞は、体細胞に由来する胚嚢母細胞(MMC)の減数分裂で生じる。一部の変異体や特定の有性種は複数のMMCをもち、それ以外の多くでは減数分裂を行わずに(アポミクシスによって)配偶子を形成できるため、胚珠の体細胞は、細胞発生運命の決定に重要な機能をもつと考えられる局所的シグナルに応答できると考えられている。本論文では、シロイヌナズナ(Arabidopsis)のタンパク質ARGONAUTE 9(AGO9)が、配偶体前駆細胞の運命指定を濃度依存的かつ細胞非自律的に制限することにより、雌性配偶子形成を制御していることを示す。AGO9の変異は、配偶子形成を開始できる複数の配偶子細胞の分化につながる。AGO9タンパク質は、配偶子細胞系統では発現されず、体細胞性の伴細胞の細胞質フォーカスで発現する。SUPPRESSOR OF GENE SILENCING 3およびRNA-DEPENDENT RNA POLYMERASE 6の変異では、ago9変異体と同一の欠陥がみられることから、配偶子細胞の運命指定の制御には、体細胞性の伴細胞を起源とする低分子RNA(sRNA)の移動によるサイレンシングが必要であることが示された。AGO9は、転移因子(TE)由来の24ヌクレオチドのsRNAと選択的に相互作用し、その活性は、雌性配偶子およびその付随細胞のTEのサイレンシングに必要である。今回の結果により、シロイヌナズナの胚珠では、細胞運命の指定にAGO9依存的なsRNAサイレンシングが重要であることが示され、植物の配偶子のsRNA依存的なサイレンシングには、伴細胞でのエピジェネティックな再プログラム化が必要であることがわかった。

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