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細胞:前脂肪細胞の発生運命決定におけるZfp423による転写制御

Nature 464, 7288 doi: 10.1038/nature08816

肥満が世界的に広がっていることで、脂肪細胞の発生を制御する仕組みなどの、エネルギーのバランスと貯蔵にかかわる生理機構について理解を深めることがますます緊急性を増してきている。発生運命を分化拘束された前脂肪細胞の脂肪細胞への分化は、PPARγをはじめとするいくつかの転写因子によって制御されるが、前脂肪細胞の運命決定の分子基盤は解明されていない。我々は、転写にかかわる成分を定量的に解析する新しい方法を用いて、Znフィンガータンパク質Zfp423が、前脂肪細胞ではない繊維芽細胞に比べて前脂肪細胞のほうに豊富に含まれる因子であることを突き止めた。脂肪細胞を生じないNIH3T3繊維芽細胞でZfp423を異所発現させると、未分化細胞でPpargの発現がロバストに活性化され、この細胞は、脂肪細胞の分化を許容する適切な条件のもとで脂肪細胞へ分化できるようになる。3T3-L1細胞で短鎖ヘアピンRNA(shRNA)を介してZfp423の発現を低下させると、前脂肪細胞のPparg発現が低減して、これらの細胞の分化能力が衰える。また、Zfp423欠失マウス胚では、褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞の分化が著しく阻害される。Zfp423によるPparg発現の調節は、BMPシグナル伝達の増幅が一因であり、この作用はZfp423のSMADへの結合能力に依存する。今回の研究により、Zfp423が前脂肪細胞の細胞運命決定の転写的調節因子であることが突き止められた。

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