Letter 細胞:正常細胞および腫瘍細胞中のヘテロプラスム性ミトコンドリアDNAの変異 2010年3月25日 Nature 464, 7288 doi: 10.1038/nature08802 個々のヒト細胞に数百コピーのミトコンドリアDNA(mtDNA)が存在することは、従来型の塩基配列決定技術によるmtDNAゲノムの完全な特性付けを難しくしている。本論文では、大量並行SBS(massively parallel sequencing-by-synthesis)法を用いた、mtDNAゲノムのデジタル塩基配列解読について述べる。ヒト細胞のmtDNAは均一であると考えられているが、正常ヒト細胞のmtDNAには広範囲にわたる異質性(ヘテロプラスミー)がみられた。さらに、同一個人の異なる組織間で、ヘテロプラスム性の変異型の出現頻度はかなり異なっていた。がん細胞は、正常組織で見つかる変異型mtDNAに加えて、ホモプラスム性およびヘテロプラスム性の変異がさらに多くみられ、これらは患者血漿でも検出される可能性がある。以上の結果は、mtDNA塩基配列の性質とばらつきについての手がかりを与え、また、胚発生、がんバイオマーカー開発や法医学的分析の際のミトコンドリアに関する結果の処理に影響を及ぼす。これらの研究は特に、ヒト個体のミトコンドリア遺伝子型は単一ではなく、関連のある遺伝子型の複雑な混合体として特徴付けられることを明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る