Article 発生:ニワトリの体細胞の性別は、細胞自律的に決まる 2010年3月11日 Nature 464, 7286 doi: 10.1038/nature08852 哺乳類の性決定モデルでは、胚は、性決定遺伝子の一時的作動によって性腺分化が起こるまでは、性的に未分化であると考えられている。このモデルはあらゆる脊椎動物に適用されると考えられているが、いまだに確実に証明されてはいない。今回我々は、3羽の側方雌雄モザイク(まれだが天然に生じる現象で、個体の左右の片側の外見が雄、もう一方の側が雌という状態)のニワトリを用いて、鳥類における性決定機構を調べた。その結果、雌雄モザイクのニワトリは、真性の雄:雌キメラであることが実証され、鳥類の雄と雌の体細胞には性別が本来備わっている可能性が示唆された。この仮説を検証するため、互いに逆の性をもつ胚の間で中胚葉と推定される領域を移植し、雄と雌のキメラ性腺を含む胚を作製した。哺乳類の両性キメラの場合と対照的に、ニワトリの両性キメラでは、宿主性腺の機能構造から供与細胞が排除された。雄の宿主へ雌の組織を移植した例では、発生中の精巣に寄与している供与細胞が雌としての性別を保持し、雌の機能マーカーを発現した。この研究により、鳥類の体細胞には性別が本来備わっていることが実証され、鳥類の性分化は実質的に細胞自律的であることが示された。 Full Text PDF 目次へ戻る