Letter 発生:JARID2はES細胞においてポリコーム抑制複合体2の標的遺伝子への結合を調節する 2010年3月11日 Nature 464, 7286 doi: 10.1038/nature08788 ポリコーム群(PcG)タンパク質は、発生や分化、細胞運命の維持に必須な遺伝子の発現制御に重要な役割をもっている。ポリコーム抑制複合体2(PRC2)は、ヒストンH3の27番目のリシン残基のジメチル化とトリメチル化(H3K27me2/3)を触媒することで、転写抑制を調節すると考えられている。これまでのところ、哺乳類細胞では、PcGタンパク質がその標的プロモーターへ誘導される仕組みはわかっていない。本研究では、PRC2が、JumonjiドメインとARIDドメインをもつタンパク質JARID2と、安定した複合体を形成していることを示す。ゲノム規模の局在解析により、これまでにマッピングされたPcG標的遺伝子のうち、90%以上にJARID2が結合することが明らかになった。特に、JARID2は異種プロモーターへのPcGタンパク質の誘導に十分であり、JARID2発現の阻害により、PcG結合の大幅な消失と標的遺伝子でのH3K27me3レベルの低下を引き起こすことは重要である。初期発生にPcGタンパク質が必須の役割をもつことと一致して、JARID2がマウス胚性幹細胞の分化に必要であることを、我々は示す。したがってこれらの結果から、JARID2はPcGタンパク質の標的遺伝子への結合に必須であり、これに合致して、胚性幹細胞の正常な分化と発生にも必須であることが示された。 Full Text PDF 目次へ戻る