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遺伝:マウス胚性幹細胞における運命変化のシステムレベルでの動的解析

Nature 462, 7271 doi: 10.1038/nature08575

胚性幹細胞(ESC)運命の分子制御は、エピジェネティック、転写、翻訳の3機構間での協調的な相互作用によって行われる。これらの異なる分子制御機構がどのように相互作用して幹細胞運命の変化を調節するのかはわかっていない。本研究では、明確に規定した遺伝子発現操作の後に起こる、マウスESCでの細胞運命変化に関する動的なシステムレベルの解析結果を示す。必須の多能性調節因子であるNanogの発現抑制後、5日間にわたってヒストンのアセチル化、クロマチンに結合したRNAポリメラーゼII、メッセンジャーRNA(mRNA)、核タンパク質レベルの包括的な変化を計測した。このデータは、複数の分子制御レイヤーにおいて、一遺伝子の発現操作によって広範囲での連続的な変化がどのように引き起こされるのかを示しており、エピゲノム、トランスクリプトーム、プロテオームにおける情報の流れの動的観察を可能にする。核タンパク質レベルの変化の大部分は、対応するmRNA発現にみられる協調した変化を伴わず、このことは、ESC運命に翻訳および翻訳後調節の役割が重要であることを示唆している。異なる分子レイヤーを網羅した遺伝子オントロジー解析では、クロマチン再構成は細胞運命の変化に重要であるものの、それよりも前に転写因子による調節があることが示される。遺伝子発現変化の時間的順序は、調節ネットワーク再構成の順序を示しており、遺伝子調節ネットワークに関するさらなる手がかりとなる。我々の研究は、多くの分子種、複数の調節レイヤー、時間的連続を包含して、従来のシステム生物学の手法を拡張しており、幹細胞運命を決定するタンパク質発現の変化にかかわる多層構造の調節機構の複雑性を強調している。

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