Article 脳:バーチャルな空間移動を行う際に海馬場所細胞が示す細胞内動態 2009年10月15日 Nature 461, 7266 doi: 10.1038/nature08499 海馬場所細胞は、空間情報を発火率と発火タイミングで符号化している。海馬での符号化の基盤となる機構を調べるため、in vivoホールセル記録とバーチャル・リアリティ実験系とを組み合わせて、場所細胞の細胞内動態を測定した。頭部を拘束されたマウスを球形のトレッドミル上で走らせ、コンピューターで合成された視的環境と相互作用して空間行動を行うようにしむけた。バーチャルな直線走路に沿って運動する際、場所細胞にはロバストな活動がみられた。ホールセル記録から、場所フィールドの閾値下の3つの特徴が突き止められた。ベースライン膜電位の非対称的で漸増的な脱分極、細胞内シータ振動の振幅の増加、および細胞外で記録されるシータリズムに対する細胞内シータ振動の位相先行である。これらの細胞内動態が、場所細胞の発火率・タイミング符号化の基本的性質の基盤となっている。今回開発されたバーチャル・リアリティ実験系は、移動経路決定の背景にある神経回路を知るための新たな実験的手法を可能にするだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る