Letter 化学:非天然α-アミノ酸のスケーラブル触媒不斉ストレッカー合成 2009年10月15日 Nature 461, 7266 doi: 10.1038/nature08484 α-アミノ酸はタンパク質の構成要素であり、医薬活性分子の成分やキラル触媒として広く用いられている。エナンチオ濃縮されたα-アミノ酸の高効率化学酵素的合成方法は開発されたが、非天然アミノ酸を得ることはまだ難しい。アルケンの水素化は、多種類のアミノ酸のエナンチオ選択的触媒合成に広く役立つ。しかし、この方法によりアリールや四級アルキルα-置換基をもつα-アミノ酸を得ることは不可能である。イミンやイミン等価体とシアン化水素を反応させた後、二トリル加水分解を行うストレッカー合成は、ラセミα-アミノ酸を合成するのに特に汎用性の高い化学的方法である。以前に化学量論量のキラル試薬を用いた不斉ストレッカー合成がグラムからキログラムのスケールで適用され、エナンチオ濃縮されたα-アミノ酸が得られている。原理的には、化学量論量より少ないキラル試薬を用いるストレッカー合成は、これらの方法の実用的な代替となる可能性があるが、報告された触媒不斉合成法は、調製スケール(1グラムを超える)に今まで使用が限られていた。既存の触媒合成法の有用性が限られているのは、触媒が比較的複雑で高価、有毒なシアン化物原料を使う必要があるなど、いくつかの重要な要因によるものであると思われる。今回我々は、単純なキラルアミドチオ尿素触媒を用いて、重要なヒドロシアン化ステップを制御して高度にエナンチオ濃縮された非天然アミノ酸を合成する、新しい触媒不斉合成法について報告する。この触媒は、敏感な官能基をもたずロバストなため、ほかのシアン化物原料よりも安全で扱いやすい水溶性シアン化物塩と併用できる。したがって、この方法は大量合成に適合する。我々はこの新しい方法を使って、酵素法や化学的水素化では容易に合成できない、一方のエナンチオマーだけからなるアミノ酸を得た。 Full Text PDF 目次へ戻る