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細胞:光で切り替え可能なタンパク質相互作用を用いた細胞シグナル伝達の時空間的制御

Nature 461, 7266 doi: 10.1038/nature08446

緑色蛍光タンパク質などの遺伝子に任意に組み込み可能な光学レポーター分子は、細胞状態の観察と測定を飛躍的に進歩させた。しかし、光を使って細胞の挙動を正確に制御するという逆向きの試みは、ごく最近取り組みが始まったばかりであり、半合成発色団をつないだ受容体や天然に存在するチャネルロドプシンがニューロンネットワークを直接的に摂動するのに使われている。多くの細胞生物学的過程の光制御にとって大きな障害となっているのは、光感受性タンパク質を加工することの困難さである。今回我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のフィトクロムシグナル伝達ネットワーク由来の、最適化された可逆的なタンパク質-タンパク質相互作用を基盤とする、遺伝的連結が可能な新規光制御系の使用を実証する。タンパク質-タンパク質相互作用は、細胞情報伝達で最もよく使われる手段の1つであるので、原理上この系はさまざまな機能の制御に広く使用可能である。ここでは、標的タンパク質をマイクロメートルの空間分解能、秒の時間スケールで正確かつ可逆的に細胞膜に移動させるのにこの系が使えることを示す。アクチン骨格を制御するRhoファミリーGTPアーゼの上流の活性化因子の光依存性移動は、哺乳類細胞の形態を正確に作り直して、ある形態を誘導するのに使える。今回最適化した光依存性のタンパク質–タンパク質相互作用は、光で条件付け可能な種々の試薬の設計に役立つと考えられ、次世代の摂動型定量的細胞生物学実験を可能にするだろう。

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