Letter

材料:自己集合二成分ナノ粒子超格子における準結晶秩序

Nature 461, 7266 doi: 10.1038/nature08439

1984年の準結晶の発見は、秩序を備えた固体を周期的構造体と見なしていた我々の考え方を変え、並進対称性をもたない新しい長距離秩序相が取り入れられることになった。準結晶では、古典的結晶学で禁じられている、例えば5回、8回、10回、12回回転などの対称操作が許されているうえに、鋭い回折ピークを示す。金属間化合物が準安定準結晶とエネルギー的に安定化された準結晶の両者を形成することが既に認められており、おおよその組成がTa1.6Teというテルル化タンタル相について、準結晶秩序が報告されている。その後、準結晶はソフトマター、すなわち有機デンドリマーの超分子構造体やトリブロック共重合体で発見された。また、準周期的光定在波パターンを作り出す強いレーザービームを使って、マイクロメートルサイズのコロイド球を並べて準結晶配列が作られた。今回我々は、コロイド無機ナノ粒子が自己集合して、二成分非周期的超格子を形成することを示す。さまざまな二成分ナノ粒子系、13.4 nmのFe2O3および5 nmのAuナノ結晶、12.6 nmのFe3O4および4.7 nmのAuナノ結晶、9 nmのPbSおよび3 nmのPdナノ結晶で、十二角形準結晶秩序をもつ自己集合体の形成が観測された。組成にみられるこのような融通性は、準結晶ナノ粒子集合体の形成が、粒子間相互作用の独特な組み合わせを必要とせず、エントロピーと単純な粒子間ポテンシャルに支配される一般的な球充填現象であることを示している。また、周期相と非周期相の間に「ぬれ層」として(33.42)アルキメデス・タイリングの断片を用いることにより、十二角形準結晶超格子が 通常の結晶性二成分超格子と低欠陥界面を形成可能であることも見いだされた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度