Letter 神経:ハブ・アンド・スポーク型の神経回路が、線虫のフェロモン誘引と社会的行動を支配する 2009年4月30日 Nature 458, 7242 doi: 10.1038/nature07886 生得的な社会的行動は、個体自身の遺伝子型、性別、経験に基づいて感覚情報を解釈する神経回路から生じる。線虫(Caenorhabditis elegans)はわずか302個のニューロンしかもたない単純な動物であり、その調節された集合行動は、このような神経回路を解析するのに魅力的な系である。野生線虫の社会性株は、特異的な感覚刺激があると集合するが、孤立株は集合しない。今回我々は、集合行動やそれに関連する行動を制御する調節された神経回路のハブ(中心)として、RMG介在/運動ニューロンを同定した。RMGは神経ペプチド受容体遺伝子npr-1の作用の重要な部位で、この遺伝子の活性で孤立株(高npr-1活性)と野生の社会性株(低npr-1活性)が識別できる。高いRMG活性は、社会的行動のあらゆる面に不可欠である。ギャップ結合が、集合を促すことが知られている数種類の感覚ニューロンや、雌雄同体フェロモンへの雄の誘引にかかわるとされるASK感覚ニューロンと、RMGを解剖学的につないでいる。フェロモンに直接応答するのはASKニューロンで、高RMG活性は社会性株のASK応答を亢進させ、孤立株の雌雄同体個体を忌避させるようなフェロモン濃度で、社会性株個体の誘引を引き起こすことがわかった。RMGの働きによる社会的行動の協調は、集合行動における感覚統合に対する解剖学的ハブ・アンド・スポーク型モデルを示唆しており、線虫の神経配線図では複数の同様な回路モチーフが機能していることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る