Letter 生化学:TLR4-MD-2複合体によるリポ多糖認識の構造的基盤 2009年4月30日 Nature 458, 7242 doi: 10.1038/nature07830 グラム陰性菌のリポ多糖(LPS)が自然免疫応答の誘導物質であることは、よく知られている。Toll様受容体(TLR)4とMD-2(myeloid differentiation factor 2)は、構造的に多様なLPS分子に共通の「パターン」を認識する異種二量体を形成する。今回、TLR4—MD-2—LPS複合体のリガンド特異性と受容体活性化機構を解明するために、その結晶構造を決定した。LPSの結合は、対称的に配置された2つのTLR4—MD-2—LPS複合体からなるm型の受容体多量体の形成を引き起こした。LPSはMD-2内の大きな疎水性ポケットと相互作用しており、多量体の2つの構成成分を直接架橋している。LPSの6本の脂質鎖のうちの5本がポケットの中に深く埋まっており、残り1本の脂質鎖がMD-2の表面へ露出して、TLR4の保存されたフェニルアラニンと疎水性相互作用を形成している。MD-2のF126ループは、局所的な構造変化を起こしてTLR4と親水的な相互作用を形成することにより、この中心部の疎水的な接触面を支えている。MD-2に結合した4アシル化拮抗薬の構造との比較から、LPSのほかの2つの脂質鎖が、リン酸化されたグルコサミン骨格を溶媒領域へ約5 Å移動させることが示唆された。この構造のずれによって、TLR4とMD-2の正電荷をもった残基のクラスターとのイオン相互作用形成を介して、LPSのリン酸基が受容体の多量体化にかかわれるようになる。このTLR4—MD-2—LPS構造は、TLRファミリーが用いているリガンド認識機構の著しい汎用性を明らかにしており、これは多様な微生物感染に対する防御に必須である。 Full Text PDF 目次へ戻る