Letter 化学:Co3O4によって触媒されるCOの低温酸化 2009年4月9日 Nature 458, 7239 doi: 10.1038/nature07877 COの低温酸化は、不均一触媒反応の歴史の中でおそらく最も広く研究されている反応だろうが、空気や自動車の排ガスの浄化との関連で重要さを増しつつある。ホプカライト触媒(酸化マンガンと酸化銅の混合物)は、もともとは潜水艦内の空気を浄化するために開発されたものであるが、常温での活性はあるものの、水分の存在により活性を失う。これに対して、貴金属触媒は、水分には強いが、COの酸化には通常100 °Cを超える温度を必要とする。金は、低温で高い活性を示し、水分の存在下でも優れた安定性を示す。しかしこれは、卑金属酸化物上にナノ粒子の形態で担持したときだけである。大気環境下での低温CO酸化向けに貴金属を用いない高活性安定触媒を開発することは、依然として大きな課題である。今回我々は、四酸化三コバルトのナノロッドが、−77℃という低温でCO酸化を触媒するばかりでなく、通常の湿ったガス流の下でも安定であることを報告する。Co3O4ナノロッドでは{110}面が優先的に現れ、その表面では触媒活性点であるCo3+種が露出していることが、高分解能透過電子顕微鏡法によってわかった。速度論的解析から、ナノロッド上の個々のCo3+サイトに割りつけた反応速度が、同じ材料でできた従来のナノ粒子上のそれと同等であることが明らかになっている。このことは、我々がナノロッド形態で得た著しく高い反応速度は、活性なCo3+サイトが表面に多く存在することに起因することを示している。これらの結果は、高効率酸化触媒を開発していく上で、卑金属酸化物の形態制御が非常に重要であることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る