Letter 腫瘍:ヘッジホッグシグナル伝達は骨髄性白血病のがん幹細胞の維持に必須である 2009年4月9日 Nature 458, 7239 doi: 10.1038/nature07737 ヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達の、胚のパターン形成における役割は十分明らかにされているが、成体組織の再生や維持における働きについてはまだ明らかではなく、これらの働きとがんの進行との関連性は明らかにされていない。本論文では、Hh経路の重要な構成成分であるSmoothened(Smo)が欠損することで、造血幹細胞の自己複製が障害され、BCR-ABL1がんタンパク質による慢性骨髄性白血病(CML)の誘導が抑制されることを示す。Smoの欠損により、CMLの幹細胞、すなわち白血病を増悪させる細胞の数が減少するが、恒常的に活性化しているSmoはCMLの幹細胞の数を増加させ、病気を進行させる。Smoの作用の予想される機序として、我々は、CMLの幹細胞の数を減少させる細胞運命決定因子NumbがSmoの活性がない場合に増加していることを示す。さらに、Hhシグナル伝達を薬理学的に阻害すると、野生型BCR-ABL1によって誘導されるCMLの進行が抑制されるだけでなく、イマチニブ抵抗性のマウスやヒトCML細胞の増殖も抑制される。これらの結果から、Hh経路の活性が造血系の正常およびがんの幹細胞の維持に必要であることが示され、CMLのイマチニブ治療に伴う薬剤耐性や病気の再発が、この幹細胞の維持に必須な経路を標的とすることにより回避できる可能性が示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る