Letter 光学:高Q表面プラズモンポラリトン・ウィスパリングギャラリー・マイクロ共振器 2009年1月22日 Nature 457, 7228 doi: 10.1038/nature07627 表面プラズモンポラリトン(SPP)は、金属と誘電体材料との界面で励起される電子密度波である。電磁場が非常に局在しているため、サブ波長スケールでの光子の輸送・操作に利用できる可能性がある。特にプラズモン共振器は、この場の圧縮を活用して、極微小のモード体積のデバイスを作り出せそうな用途が考えられる。この場合に重要な性能指数は、共振器の性能因子であるQの値(共振器に閉じ込められた光子の散逸率に関係している)の共振器モード体積Vに対する比である。しかし、プラズモン共振器のQ値は、これまで、可視、近赤外いずれの波長についても100未満の値にとどまっていた。重要なのは、そのような値が、プラズモン共振器構造体で理論的に達成可能な値をはるかに下回っていることである。今回我々は、高Qシリカ・マイクロ共振器の表面を貴金属薄層でコーティングすることによって作られた、高Q値SPPウィスパリングギャラリー・マイクロ共振器を実証する。この構造を用いることにより、表面プラズモン・ウィスパリングギャラリーモードに、室温で近赤外のQ値1,376±65が実現できる。これは、金属損失に制限される理論Q値に近いほぼ理想的な値であり、今回の幾何構造と作製方法によって、放射損失と散乱損失の抑制・最小化が可能になったことによる。SPP固有モードは、誘電体固有モードと同様に、ウィスパリングギャラリー・マイクロ共振器内に閉じ込められ、シングルストランドの低損失テーパー光導波路を用いてエバネッセント的に利用される。この結合方式は、閉じ込められたSPP固有モードを選択的に励起し調べる重宝な方法となる。入力パワーの最高49.7パーセントが、マイクロキャビティーSPPとテーパーファイバー固有モードの間の位相整合制御によって結合される。 Full Text PDF 目次へ戻る