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生理:日和見性の病原性真菌Aspergillus fumigatusの有性生殖周期の発見

Nature 457, 7228 doi: 10.1038/nature07528

Aspergillus fumigatusは腐生性の真菌で、その胞子は大気中の至るところに存在する。また、ヒトの日和見病原体でもあって、免疫が低下しているヒトに感染して死に至る可能性のある侵襲性の感染症を引き起こす。また、重症の喘息、副鼻腔炎にも関連するとされる。A. fumigatusでは無性生殖だけしか知られていないが、集団遺伝学研究やゲノム解析、交配型遺伝子の存在、性関連遺伝子の発現から、組み換えと遺伝子の流動がある証拠が増えている。本論文では、A. fumigatusには完全に機能する有性生殖周期があって、閉鎖子嚢殻と子嚢胞子が形成されることを明らかにし、テレオモルフであるNeosartorya fumigataについて述べる。この種は異体性の繁殖様式をもち、性が生じるには相補的な交配型の分離株が必要である。我々は、交配型間の組み換えによって遺伝子型の多様性が増すことを明らかにし、アイルランドの環境中の亜集団から得た子嚢胞子の子孫のもつDNAフィンガープリントマーカーを示す。A. fumigatusが有性生殖を行う能力をもつことは、この種の生物学的性質や進化を理解する上で、非常に大きな意味をもつ。有性生殖周期の存在は古典的な遺伝的解析を行う上で非常に有用な手段であり、これによって、アスペルギルス症の管理法の改良を目指した、A. fumigatusでみられる病原性や抗菌剤耐性の遺伝的基盤の研究が進むだろう。また今回の結果は、「無性」と考えられてきたほかの真菌類でも有性生殖が行われている可能性も示唆している。

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