Letter

進化:新生代全体にわたる海洋浮遊性珪藻類の多様性動態

Nature 457, 7226 doi: 10.1038/nature07435

珪藻類は、現代の海洋における植物プランクトンの優占分類群である。珪藻類は海洋一次生産のほぼ40%を、また海底堆積物中の有機炭素埋没量の50%以上を占めている。珪藻類は炭素輸送を担う生物ポンプとしての役割を果たし、大気中のCO2濃度に対して影響を及ぼしているため、過去4,000万年間にわたる珪藻類の多様性急増に影響を及ぼした要因の解明には、大きな関心が寄せられている。この多様性増大を説明するために、多様化に対して以下の2つの生物的制御が考えられている。(1) 全球ケイ素循環を通しての陸上草原と海洋生態系との間の地球化学的結合と、(2) ほかの植物プランクトン系統の競争的駆逐である。しかしながら、これらの仮説は、標準化サンプリングによる化石データを用いて検証されてはいない。本論文では、海洋植物プランクトンの種多様性を再構成することで、上記のような制御が排除され、新生代全体にわたる海洋珪藻類の多様性について新しいパターンが示唆されることを示す。海洋浮遊性珪藻類の種多様性のピークは始新世-漸新世の境界で生じ、続いて著しい低下がみられ、その後は多様性が回復していない。多様化を推進した非生物的および生物的要因の役割は依然としてはっきりしないが、海洋珪藻類の進化の主要な特徴は、草原の拡大とも植物プランクトン分類群間の競争とも無関係である。

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