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生態:生育域の拡大に成功する植物は地上および地下で外敵から受ける害が小さい

Nature 456, 7224 doi: 10.1038/nature07474

現在、多くの生物種が高緯度および高高度地域へと移動している。しかし、生育域を拡大する種が新たな生息地で示す挙動に影響を与える要因についてはほとんどわかっていない。今回我々は、生育域を拡大した河川域の植物種が、同じ地域に生育する近縁の在来植物種と比べて、シュート(茎と葉)および根を食べる外敵に対する防御に優れていたことを明らかにする。本研究では、共進化をしていない雑食性のバッタと汎存種の雑食性アブラムシの存在下および非存在下で、植物15種を栽培した。予想に反し、生育域を拡大する植物種では同属の在来植物種と比較してバッタの害は軽度だったが、アブラムシに関しては差が認められなかった。シュートを食べる草食動物によるバイオマスの減少量は、生育域を拡大する同属植物種よりも在来植物種のほうが大きかった。また、生育域を拡大する植物種では、近縁の在来種と比べて、根域土壌での病害による影響が少なかった。現在の予測では、生育域での気候温暖化に対する生物種の適応能力に限界があるため、生物多様性は減少していくと予想されている。今回の結果から、生息域の拡大に成功する植物は地上または地下で外敵から受ける害が在来種よりも少ないと考えられ、そのため、高緯度および高高度へと生育域を移す植物の中には、侵入種となる可能性のあるものが含まれることが強く示唆される。

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