Letter

視覚:動く視覚刺激の経験は皮質の方向選択性の早期発達を促す

Nature 456, 7224 doi: 10.1038/nature07417

視覚は、皮質視覚野の神経回路が未完成な段階、つまり、神経結合が終わっておらず、機能成熟の指標となる応答選択性も生じていない段階で既に始まる。方向選択性応答は、成長の早期に視覚遮断を行うと特に影響を受けやすいが、刺激によって駆動される神経活動が、どのようにして視覚野の方向選択性の出現をもたらすのかは、よくわかっていない。本論文では、視覚未経験のフェレットで、方向選択性応答の発達に対する経験の影響をモニターできるような視覚運動訓練のプロトコルから得られた知見を報告する。内在信号画像化技術を用いることで、単一軸運動の訓練を行うと、訓練刺激によって選好的に活性化される皮質領域に限定して方向性カラムが素早く出現するようになることが明らかになった。二光子カルシウム画像化技術を用いて、視覚未経験個体の各単一ニューロンは方向の偏向が弱く、成熟個体でははっきりみられるような方向選択性の空間的構成における強い局所的一貫性を欠いていることがわかった。動く刺激で訓練すると、各ニューロンの方向選択的応答が強まり、隣接ニューロンとかけ離れた方向の偏向は選択的に逆転されたが、刺激の瞬間提示による訓練にはこうした影響はなかった。このどちらの効果も局所的一貫性の増進に役立っていた。したがって、動きのある視覚刺激の早期経験が、視覚野の方向選択的応答の素早い出現を促すと結論される。

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