Article 進化:動物におけるマイクロRNAおよびPiwi相互作用性RNAの古い起源と進化 2008年10月30日 Nature 455, 7217 doi: 10.1038/nature07415 ヒトやハエ、線虫などの左右相称動物では、何百種類ものマイクロRNA(miRNA)が共同でトランスクリプトームのかなりの部分を調節しており、その中には、左右相称動物の進化を通じてずっと保存されてきたmiRNAもある。左右相称動物の低分子RNAとしては、miRNA以外にPiwi相互作用性RNA(piRNA)というRNA分子があり、これらはゲノムをトランスポゾンから保護している。今回我々は、左右相称動物の出現以前に分岐した動物門で、低分子RNAを同定した。左右相称動物と近縁の刺胞動物Nematostella vectensis(イソギンチャクの一種)は、多様なmiRNA遺伝子、2種類のpiRNA、およびヒトと同程度の低分子RNA体系に特有のタンパク質一式をもつ。極めて単純な動物で左右相称動物との類縁関係が遠い海綿動物の一種であるAmphimedon queenslandicaも、やはりmiRNA、同じ2種類のpiRNA、および一揃いの低分子RNA装置を備えている。動物のmiRNAの進化は比較的活発であったと考えられ、前駆体のサイズおよび成熟miRNAの塩基配列が海綿動物、刺胞動物、左右相称動物の間では大幅に異なっている。それにもかかわらず、miRNAおよびpiRNAは、動物門の進化と放散を通じて遺伝子発現の仕方を決めるリボレギュレーター群として使われてきた。 Full Text PDF 目次へ戻る