Letter

地球:タイで見つかった2004年インド洋津波の中世における前例

Nature 455, 7217 doi: 10.1038/nature07373

2004年インド洋津波より前の数世紀には、地震の震源地域や破滅的被害を受けた海岸において、その前例となる津波はなかった。この津波の犠牲者のほとんどすべては、過去200年間に津波被害を経験したことのない海岸から報告されている。津波を起こしたマグニチュード9.2の地震は、19〜20世紀中にはマグニチュード7.9以上の地震がなかったというスマトラ-アンダマン地域の地震記録とは、相いれないものであった。この津波と地震は、長さ1,500 kmの破壊領域をもつ断層運動により発生したが、これは何世紀にもわたるプレート収束でたまったエネルギーを放出したものであった。我々は、プーケットの北125 kmにある草原のような浜堤平野で、2004年の津波に先立つと考えられる津波の堆積学的な証拠を確認した。2004年の津波は、この平野の上を2 kmにわたり遡上し、浜堤の間にある堤間湿地に厚さ5〜20 cmの砂層を残した。さらに、2カ所の堤間湿地における泥炭層は、2,800年前より若いいくつかの砂層を保存していた。2004年以前に堆積した最も若い砂層の成因を考えた場合、2004年津波に先行する同規模の津波は、およそ550〜700年前に起きたと考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度