Letter 細胞:ROS3はシロイヌナズナでDNA脱メチル化に必要なRNA結合タンパク質である 2008年10月30日 Nature 455, 7217 doi: 10.1038/nature07305 DNAメチル化は、多様な生物で転写レベル遺伝子サイレンシング(TGS)に対するエピジェネティックな目印として重要である。最近の研究から、多くの遺伝子のメチル化状態は、メチル化と脱メチル化によって動的に制御されることが示唆されている。シロイヌナズナ(Arabidopsis)では、活発なDNA脱メチル化は、5-メチルシトシンDNAグリコシラーゼのROS1(repressor of silencing 1)サブファミリーによって、塩基除去修復経路を介して行われる。これらのデメチラーゼは、DNAのメチル化消去および標的遺伝子のTGSの防止に極めて重要な役割を果たす。ところが、デメチラーゼが特定の配列に導かれる機構は不明である。今回我々は、DNA脱メチル化の必須の調節因子でRNA認識モチーフを含むROS3を同定したので報告する。ros3変異体およびros1 ros3二重変異体の解析から、ROS3はROS1と同じ遺伝経路で作用し、DNAの過メチル化とTGSを妨げると考えられる。ゲルシフト法および植物抽出物からのROS3の免疫沈降解析の結果から、ROS3がin vitroおよびin vivoで低分子RNAと結合することがわかった。免疫染色実験からは、ROS3とROS1タンパク質が、核全体に分布するばらばらな点の中に共局在することが示された。以上の結果は、ROS3がDNAの過メチル化防止に極めて重要な役割をもつことを示しており、ROS1によるDNA脱メチル化はROS3に結合したRNAによって誘導される可能性を示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る