Letter 生態:ミジンコ-藻類系では成長段階に応じて構造化された相互作用から小振幅周期が生じる 2008年10月30日 Nature 455, 7217 doi: 10.1038/nature07220 生態学における長年の課題の1つは、消費者-資源相互作用に関する一般理論からはっきり予測される大振幅周期の個体群動態と、多くの個体群の見かけ上の安定性とを整合させることである。理論的には、消費者と動的資源との結合を外した場合でも、多くの消費者にみられる遅延フィードバック過程により大振幅周期が生じうる。今回我々は、消費者-資源結合系で、消費者の資源依存性の死亡と動的な発生遅延が、大振幅の振動と共存するような新規の種類の小振幅周期を生み出すことを示す。この小振幅周期の際立った特徴は、消費者の幼体の発生が遅く、周期長よりも長い発生遅延をもたらすことである。対照的に、その周期は大振幅周期の遅れを上回る。これらの理論的予測によって、以前に報告されたミジンコ-藻類系にみられる共存アトラクターに関する実証的結果を説明できる可能性がある。これを検証するために、それぞれの型の周期を示す個体群に属する個体の成長速度を計測するバイオアッセイ実験を行ったところ、結果は予測と一致した。新理論と実験の両方により、資源依存性の幼体期の長さおよび死亡率という消費者に極めて一般的な2つの特徴が結びついて、小振幅の資源-消費者周期を生成することが確認された。この現象は、他の多くの消費者-資源個体群に小振幅振動が広くみられることの一因となっているかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る