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医学:西ナイルウイルス感染に関連するヒト遺伝子のRNA干渉スクリーニング

Nature 455, 7210 doi: 10.1038/nature07207

西ナイルウイルス(WNV)や、それと近縁のダニ媒介性脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、黄熱ウイルス、デング熱ウイルスなどのフラビウイルスは、世界的に深刻なヒトの健康問題を引き起こす。しかし、そのようなフラビウイルスと哺乳類の宿主細胞との分子レベルでの相互作用についてはほとんどわかっていない。WNVはわずか10個のタンパク質しかコードしていないため、感染には細胞側の多くのタンパク質が使われることが示唆される。WNVはpHに依存したエンドサイトーシスを介して細胞質へ侵入し、翻訳と複製のサイクルを経て、小胞体と共同して子孫ウイルス粒子の組み立てが行われ、分泌経路を通って細胞外へ出る。RNA干渉(RNAi)は、ウイルスと宿主細胞との相互作用を調べるのに強力な順遺伝学的な手法である。本論文では、ヒト全ゲノムRNAiスクリーニングを用いて、WNV感染に影響を及ぼす305個の宿主タンパク質を同定したことを報告する。これらの遺伝子の機能的クラスタ―分析により、このウイルスが宿主細胞の生理学的な機構に複雑に依存しており、感染を成立させるためにはさまざまな分子や細胞側の経路を必要とすることが明らかとなった。さらに、WNVの細胞内への取り込みにおいてユビキチンリガーゼであるCBLL1が必要であることや、小胞体関連分解径路がウイルス感染において細胞内侵入後にかかわっていること、さらにモノカルボン酸輸送体MCT4がウイルスの複製抵抗因子であることを示す。この研究をデング熱ウイルスにも拡張したところ、宿主細胞との相互作用に、フラビウイルス間で共通した戦略と個々のウイルス独自の戦略があることがわかった。本研究により、WNVとヒト細胞の間の包括的な分子レベルの相互作用の有り様が示され、これは一本鎖のプラス鎖RNAウイルス感染を理解する上で1つのモデルとなり、抗ウイルス治療の標的候補を明らかにするものである。

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