Letter

物性:鉄系超伝導体LaOFePの電子構造

Nature 455, 7209 doi: 10.1038/nature07263

鉄オキシプニクタイド系化合物での超伝導の最近の発見は、強い関心を集めている。遷移金属イオンが平面正方格子形態をとる層状結晶構造と、130 K付近のスピン密度波秩序の発見は、銅酸化物超伝導体との著しい類似性を示唆しているようである。目下の重要な論点は、親化合物の基底状態の性質である。これについては、基礎となるバンド構造が異なる2つの理論が提唱されている。第一は、強結合理論に基づく局在モーメント反強磁性基底状態によるもの、第二は弱結合理論に基づく遍歴基底状態によるものである。第一の理論は、オンサイト相関、およびモット絶縁状態との近似性、つまり高転移温度銅酸化物との類似性を強調している。これに対して第二のものは、遍歴電子の物理学的性質、および競合する強磁性ゆらぎと反強磁性ゆらぎの相互作用を強調している。2つの理論をめぐって論争が起こる一因は、電子構造に関する決定的な実験情報が欠けていることである。今回我々は、最初に報告された鉄系超伝導体LaOFeP(超伝導転移温度Tc=5.9 K)の角度分解光-電子分光(ARPES)について報告する。この結果は、バンド繰り込みを行っているが、遍歴基底状態を支持するものである。さらに、我々のデータは、これらと銅系超伝導体の間に重要な相違があることを明らかにした。

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