Letter 化学:内殻正孔脱励起によって明らかになった液体水と水酸化物の相互作用 2008年9月4日 Nature 455, 7209 doi: 10.1038/nature07252 水酸化物イオンは、水溶液中で起こる多くの化学的過程や生化学的過程に重要な役割を果たしている。しかし、水中でのその異常な高速輸送と高速輸送を可能にする溶媒和パターンについては、分子レベルでの解明は完全にはほど遠いものである。1つの考え方は、水酸化物イオンは本質的にはプロトンを失った水分子であると見なし、余分なプロトンがある場合の輸送機構と水和構造から推測することによって、水酸化物イオンの特性と挙動を説明しようというものだ。もう1つの考え方ではその代わりに、相互交換する独特な水酸化物水和錯体、特にOH−のH原子と隣接する水分子が過渡的水素結合を形成できる超配位OH−(H2O)4と3配位 OH−(H2O)3 とを使って説明しようというものである。本論文では、水酸化物水溶液に関する内殻準位光電子放出と分子間クーロン脱励起の測定について報告する。測定結果から、水和水酸化物イオンが過渡的に水素結合を周囲の水分子に供与できることが示された。したがって我々の結果は、最近の水酸化物溶液の実験的研究と一致しており、水酸化物イオンの水和構造は余分な水和プロトンをもつ水和構造から推測できないという見解を裏付けている。 Full Text PDF 目次へ戻る