Letter 宇宙:銀河系中心に位置する超大質量ブラックホール候補における事象の地平面のスケール構造 2008年9月4日 Nature 455, 7209 doi: 10.1038/nature07245 ほとんどの銀河核には超大質量ブラックホールが隠れていて、このブラックホールが降着物質の重力エネルギーを輻射へと変換することにより、銀河核にエネルギーを供給していると考えられている。いて座 A*(Sgr A*)と呼ばれる、銀河系の中心にある電波、赤外線、X線のコンパクトな放射源は、この現象の例としては最も近くにあるもので、推定されるブラックホール質量は太陽質量の400万倍である。長年の天文学上の目標は、Sgr A*を取り巻く最も内側の降着流の構造の解像であり、そこでは強力な重力場がブラックホール近傍から放射された輻射の様相をゆがめると考えられている。波長3.5 mmと7 mmでの電波観測により、Sgr A*の本来の構造が検出されたが、これらの波長での観測の空間解像度は、星間散乱によって制限される。本論文では、波長1.3 mmでの観測により、Sgr A*の本来の直径が37+16−10マイクロ秒角の大きさであることを報告する。これは、推定されるブラックホールの「事象の地平面」について予測された見かけの大きさより小さく、Sgr A*の輻射の大部分は、その中心がブラックホールにあるのではなく、周囲の降着流で発生している可能性を示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る