Letter ウイルス:巨大ミミウイルス独特の寄生体としてのウイロファージ 2008年9月4日 Nature 455, 7209 doi: 10.1038/nature07218 ウイルスは真核生物、古細菌および真正細菌の絶対寄生体である。多食アメーバミミウイルス(Acanthamoeba polyphaga mimivirus、APMV)は既知のウイルスの中で最も大きく、アメーバの中でだけ増殖し、光学顕微鏡でも観察できる。ミミウイルスは1,185キロベースの二本鎖線状染色体を有し、そのコードするタンパク質は多数の細菌や古細菌よりも多い。今回我々は、APMVの新しい株に関連して見つかった、大きさ50 nmの正二十面体小ウイルス、スプートニク(Sputnik)について報告する。スプートニクはカステラーニアメーバ(Acanthamoeba castellanii)の中では複製できないが、AMPVが共感染したアメーバの中で見つかる巨大ウイルス工場の中で、暗黒期の後に急激に増殖する。スプートニクの増殖はAMPVにとって有害であり、不稔型の産生と宿主ウイルスのカプシドの異常構築がもたらされる。スプートニクゲノムは18.343キロベースの二本鎖環状DNAで、生物の3つのドメイン、真核生物、古細菌、真正細菌にそれぞれ感染するウイルスに関連する遺伝子を有している。タンパク質をコードすると予想される21の遺伝子の中で、8つ遺伝子はホモログが検出できるタンパク質をコードする。これらには、APMV由来と思われる3つのタンパク質、古細菌ウイルスのインテグラーゼのホモログ、プライマーゼ-ヘリカーゼと予測されるもの、バクテリオファージと真核生物ウイルスにホモログの見つかるパッケージングATPアーゼ、細菌の挿入配列トランスポザーゼのDNA結合サブユニットの遠隔ホロモグ、および亜鉛リボンタンパク質が含まれる。これらのうち、最後の4つのタンパク質の最も近縁のホモログは、全球海洋調査(Global Ocean Survey)環境データセットの中に見つかり、スプートニクが、今のところ未知のウイルスファミリーに属することが示唆される。バクテリオファージとの機能的類似性を考慮して、我々はこのウイルスをウイロファージ(virophage)として分類する。ウイロファージは巨大ウイルス間の遺伝子水平伝播を仲介する媒体の可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る