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地球:ブッシュフェルトマグマと同時期のダイヤモンドにみられる大陸マントルの特徴

Nature 453, 7197 doi: 10.1038/nature07073

ブッシュフェルト複合岩体は世界最大の層状貫入岩体であり白金族元素(PGE)貯蔵庫であるが、20億5千万年前に起きたその貫入は、現存する地球最古の大陸核の1つである南アフリカ・カープバール・クラトンの歴史における特異な出来事である。複合岩体の鉱化に対する一般的なモデルでは、ブッシュフェルトPGE鉱石中の放射壊変起源のストロンチウム同位体比とオスミウム同位体比の特徴は、母岩マグマと大陸地殻の混成作用に起因するとされている。しかし、大陸地殻が概して不均質であることを考えると、貫入の規模およびPGEに富んだ層の水平方向の均質性は、地殻混成モデルにとって問題となっていた。さらに、ブッシュフェルトマグマ活動の分布はその下にある地震学的に異常なマントルと一致しており、地殻への貫入以前に相当度の相互作用があったことが考えられる。深さ200 kmの古代のクラトンの竜骨部の鉱物試料で、大型ダイヤモンド中に封入された形で隣接するキンバーライトによって運ばれたものは、ブッシュフェルトマグマにより取り込まれた可能性がある大陸マントルの性質を明らかにする。本論文では、5億年前のベネチア鉱山産キンバーライトと、複合岩体の反対側にある12億年前のプレミア鉱山産キンバーライトから得られた約20億年前のダイヤモンド中の硫化物包有物は、オスミウム同位対比の初期値がブッシュフェルト硫化物鉱石中の鉱物の値よりも放射壊変起源に近いことを示す。硫化物のRe-Os同位体組成とケイ酸塩のSm-NdおよびRb-Sr同位体組成は、元の対流するマントルのマグマに加えて、大陸マントルのハーツバージャイト成分とエクロジャイト成分がダイヤモンドとブッシュフェルト複合岩体の両方の生成に寄与していた可能性が最も高いことを示している。同時期のダイヤモンドは、ブッシュフェルトPGEの主な生成源が地殻ではなく、マントルであることを示す重要な証拠を提供している。

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