Letter 物理:制御された無秩序性における物質波のアンダーソン局在の直接観測 2008年6月12日 Nature 453, 7197 doi: 10.1038/nature07000 1958年にアンダーソンは無秩序な結晶では電子波動関数が局在し、その結果として拡散が起こらなくなると予想した。アンダーソン局在は多数の散乱経路間の干渉が原因となって生じるため、現在では波動物理学に普遍的な現象だと認められている。実験では、光波、マイクロ波、音波、および電子ガスでの局在が報告されている。しかし、物質波では、指数関数形での空間局在が直接観測された例はない。本論文では、レーザースペックルにより生成される制御された無秩序性の存在下で、一次元導波路中に解放されたボーズ-アインシュタイン凝縮体が指数関数形に局在するのを観測したことを報告する。我々の実験は、純粋なアンダーソン局在の領域で行われた。すなわち、無秩序性は十分弱く、局在は小さい振幅の多数の量子反射から生じ、また、原子密度は十分低いために原子間相互作用は無視できる。我々は、原子密度プロフィルの画像を時間の関数として直接撮像した。そして弱い無秩序性によってその膨張が止まり、その結果、指数関数形に局在した定常的な波動関数が形成されることを見いだした。これはアンダーソン局在を直接示す証拠になる。このプロファイルの指数関数裾部分のフィッティングにより局在長を求め、結果を理論計算と比較した。一次元スペックルポテンシャルのパワースペクトルは高い空間周波数カットオフをもち、そのため、膨張する凝縮体中の原子のド・ブロイ波長がこのカットオフに対応する有効移動度端より大きい場合にのみ指数関数形の局在が起こる。これとは逆の場合、密度プロフィルは参考文献13で予言されているように代数的に減衰することがわかった。ここで示した方法は、もっと高い次元における原子量子ガスの局在や、制御された相互作用がある場合に拡張可能である。 Full Text PDF 目次へ戻る