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脳:報酬刺激に対するヌクレオソーム応答性はホスファターゼ・カスケードにより制御される

Nature 453, 7197 doi: 10.1038/nature06994

ドーパミンは、運動行動と報酬に依存した学習を調節する神経伝達物質である。ドーパミンシグナル伝達の異常は、神経・精神疾患や薬物依存に関与するとされている。ドーパミン作用の一部は線条体での遺伝子発現調節を介しているが、そのメカニズムは明らかになっていない。本論文では、乱用薬物や餌による強化学習によって、DARPP-32(32-kDa dopamine-regulated and cyclic-AMP-regulated phosphoprotein)の核蓄積が促進されることを示す。この核蓄積には、ドーパミンD1受容体の活性化、プロテイン・ホスファターゼ-2AのcAMP依存的活性化、DARPP-32のSer 97残基脱リン酸化およびその核外輸送の抑制を含むシグナル伝達カスケードが重要である。プロテイン・ホスファターゼ-1の強力な抑制因子であるDARPP-32の核蓄積は、ヌクレオソーム応答性の重要な構成要素であるヒストンH3のリン酸化を増加させる。Ser 97残基の変異により、薬物乱用の行動的影響が大幅に変化し、食欲も低下することから、このドーパミンシグナル伝達カスケードの機能的重要性が示唆される。

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