Letter 細胞:Src、Sykファミリーキナーゼシグナル伝達により仲介されるDraper依存性のグリア細胞の貪食能 2008年6月12日 Nature 453, 7197 doi: 10.1038/nature06901 アポトーシスを起こして死んだ細胞の貪食(ファゴサイトーシス)を促進する細胞装置は、線虫から哺乳類にまでよく保存されており、線虫( Caenorhabditis elegans)の貪食受容体CED-1とショウジョウバエのそのオルソログであるDraperは重要な因子である。壊死細胞、発生段階で取り除かれた軸索や樹状突起、またウォーラー変性を起こしている軸索など、他の種類の「修飾された自己」の貪食にとっても、CED-1/Draperシグナル伝達経路は不可欠である。今回我々は、哺乳類のSykやZap-70に類似する非受容体型チロシンキナーゼであるショウジョウバエのSharkが、Draperの細胞内ドメインにあるITAM(immunoreceptor tyrosine-based activation motif)を介してDraperと結合することを示す。Shark活性はin vivoで、切断された軸索へのグリア細胞膜の動員や軸索残骸や死んだ神経細胞のグリア細胞による貪食など、Draperが仲介するシグナル伝達現象に必須である。また、Srcファミリーキナーゼ(SFK)のSrc42AはDraperのリン酸化を顕著に増加させることができ、グリア細胞の貪食能に不可欠である。我々は、リガンド依存性のDraper受容体の活性化によって、DraperのSrc42A依存性のチロシンリン酸化、Sharkの結合、およびDraper経路の活性化が開始されると考える。このようなDraper-Src42A-Shark相互作用は哺乳類の骨髄細胞やリンパ細胞での免疫受容体-SFK-Sykシグナル伝達現象と非常によく似ている。したがって、Draperは古代の免疫受容体であり、修飾された自己を認識するように調節された細胞外ドメインと、ITAMドメイン-SFK-Syk介在性のシグナル伝達カスケードを介して貪食を促進する細胞内ドメインをもつと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る