Letter 生物物理:低温電子顕微鏡法による細胞質多角体病ウイルスの分解能3.88 Åでの構造 2008年5月15日 Nature 453, 7193 doi: 10.1038/nature06893 細胞質多角体病ウイルス(CPV)はレオウイルス科のうちでも独特で、ターレット(turret)のある単層キャプシドがポリヘドリン封入体の中に格納されているにもかかわらず、細胞への侵入と内在性のRNA転写を完全に行うことができる。生化学データから、CPVターレットタンパク質(TP)アミノ末端の79残基があれば、CPVまたは改変タンパク質をポリヘドリンマトリックスに運び込んでマイクロカプセル化できることが示されている。今回我々は、単粒子低温電子顕微鏡法によるCPVの分解能3.88Åでの三次元構造を報告する。我々のマップには、α-へリックスの巻きと深い溝、βシートを構成する個々の鎖、ループや多数のかさばる側鎖の密度がはっきりと観察され、低温電子顕微鏡マップからの原子モデル構築が可能となった。我々は、キャプシド外殻タンパク質がとる2つのコンホメーションの間では、ゲノムRNAと直接相互作用する領域でヘリックスからβ-ヘアピンへのコンホメーション変化が起こることを観察した。また、メッセンジャーRNA放出孔が、CPV特有のmRNAキャッピング装置と結合していることを発見した。さらに、ナノ技術への応用が期待される構造体である、ポリヘドリン結合ドメインを同定した。 Full Text PDF 目次へ戻る