Letter 発生:四肢の遠近パターン形成にFGFが指示的な役割をもつことを示す遺伝学的証拠 2008年5月15日 Nature 453, 7193 doi: 10.1038/nature06876 半世紀前、四肢動物の肢芽の遠位端にある外胚葉性頂堤(AER)が、遠近(P-D)軸に沿った発生に必須のシグナルを産生することが示されたが、これらのシグナルがどのように四肢形成へ影響するのかについては、まだ多くの議論がある。繊維芽細胞増殖因子(FGF)遺伝子ファミリーのメンバーは、AERからの主要なシグナルであり、Fgf4、Fgf8、Fgf9、Fgf17はマウスのAERに特異的に発現する。本研究では、Fgf4、Fgf9、Fgf17を欠いたマウスの四肢が正常な骨格パターンをもつことを示す。このことからAER-FGF群の中でFgf8さえあれば四肢の正常な形成を持続するのに十分であることが示唆される。Fgf8を単独で不活性化しても骨格表現型に軽度な異常がみられるだけだが、Fgf8と他のAER-FGF遺伝子をさまざまに組み合わせて欠失させたところ、重症度が徐々に増す予想外の異常な骨格表現型が観察された。これは、各FGFがAER-FGFシグナル総体に寄与している可能性を反映している。変異を組み合わせた肢芽の解析から、AER-FGF群は細胞生存の維持に加えて、肢芽発生初期にP-Dパターン形成遺伝子の発現も制御することがわかった。この結果は、AER-FGF群が遠位ドメインを指定する働きをもつという遺伝学的な証拠であり、AER-FGFシグナル伝達は四肢パターン形成を積極的に促すというよりも、パターン化する許可を与えているとする長年の仮説に異議を唱えるものである。我々は、P-Dパターン形成に関する「2シグナルモデル」を「初期指定モデル」とどのように統合すれば今回の遺伝学的データを説明できるかについて論じる。 Full Text PDF 目次へ戻る